CLASSICA JAPAN

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イベント情報

2017 / 02 / 02

【イベントレポート】《二期会プレ・ソワレ》オペラとの出会い!「ローマ歌劇場『トスカ』」の魅力を語る 演出家アレッサンドロ・タレヴィ氏を迎えて~無料トーク&コンサート

アレッサンドロ・タレヴィ氏(右)通訳は演出助手を務める菊池裕美子氏(左) ©CLASSICA JAPAN

アレッサンドロ・タレヴィ氏(右)通訳は演出助手を務める菊池裕美子氏(左)
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 「ローマ歌劇場『トスカ』の魅力を語る!」と題して、2月の二期会公演『トスカ』の演出家アレッサンドロ・タレヴィ氏を迎え、「東京二期会プレ・ソワレ~トーク&コンサート」が、1月21日(土)イタリア文化会館で行われた。この日はローマ歌劇場(コンスタンツェ劇場)での『トスカ』世界初演の1900年1月14日に近く、感慨もひとしお。会場には、オペラファンはもちろんのこと、イタリア語を学ぶ人達も交え、老若男女が集ったが、檀上にタレヴィ氏が現れると、「若い!」という囁きも。かなりハンサム。そんな彼がにこやかに話し始めると、大きなジェスチャーを交えながらの熱弁。開口一番、「今回のローマ歌劇場プロダクション『トスカ』の言わば「引っ越し公演」は、海外では日本が初めて。光栄です」。続けて、「この舞台は初演の美術を再現することが大きな特徴です」。なぜ、初演に戻るのか。「それは初演当時に評判となった美術が、現代も受け入れられるのか。それを試す実験的な舞台でもあるからです」。
 これまで現代的な演出を多く出かけてきた彼が、「実験的な演出」に臨むのはごく自然なことだろう。「幸い、初演の美術を手掛けたアドルフ・ホーエンシュタインのスケッチが保存されていて再現が可能となったのです」。
 
 プッチーニはローマを舞台にした歌劇の作曲を熱望し、現存する建物、ファルネーゼ宮殿やサンタンジェロ城、聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会などを舞台に『トスカ』を書き上げたが、そんな背景のみならず、家具なども再現。「当時流行っていたアール・ヌーヴォーやリバティが見られる、そんな舞台美術の再現を実現するためにも、当時のプッチーニの指示通りに演出することが必然であり、『実験』なのです」
「また、衣装のスケッチも、例えば合唱のブルジョア、農民、宗教者らなど、全ての出演者のスケッチが残っていて、とても色彩豊かです。ローマでの稽古でも、『こんなにカラフルでいいの』と問われたくらい(笑)」
 衣装を担当したローマの工房の技術への賛美も忘れない。「布地も再現したので、高価なものになりましたがね」
 さらに続けて、「暗く描かれがちな教会も光が溢れて明るく、まるで修復後のシスティーナ礼拝堂の壁画を観る面持にさせられる」と目を輝かせる。
 
 オリジナルに忠実に演出することで苦労もあったようだ。ローマはバチカンに近いので、合唱団の中には宗教者もおり、オリジナルの演出での宗教儀式作法に「違う」とダメ出しもあったとか。デリケートな問題だが、そこはオリジナルになるべく従ったようだ。
 また、当時の歌手たちの動きは少々オペラティックになりがちだが、プッチーニのト書きに忠実に従い、ナチュラルなものとなったという。さらに、「トスカはマリア・カラスの影響がとても大きく、今回それをきれいに取り払いました(笑)」。

ソプラノ高橋絵理氏(中)テノール前川健生氏(右)とのカーテンコール ©CLASSICA JAPAN

ソプラノ高橋絵理氏(中)
テノール前川健生氏(右)とのカーテンコール
©CLASSICA JAPAN

 タレヴィ氏の興味深く熱気溢れる裏話に、公演への期待で胸が膨らむ思いだった。後半は、トスカに扮した髙橋絵理(ソプラノ)、カヴァラドッシの前川健生(テノール)が『トスカ』の名アリア〈歌に生き、恋に生き〉や〈星は光りぬ〉などを大藤玲子のピアノのもと演技を交えて聴かせ、会場はすっかり『トスカ』の世界に。二人は今回の公演には出演しないものの、今後の活躍が楽しみだ。
 
 尚、タレヴィ氏はイギリス人とイタリア人の両親のもと南アフリカで育ち、イギリスで音楽教育を受けたという。当初、ピアニストを目指すも演出家に転向し、ロンドンで自ら歌劇団を主宰して演出家としてのキャリアをスタート。多才でエネルギッシュな俊英だ。
 

【《ローマ歌劇場との提携公演》東京二期会オペラ劇場『トスカ』】

2017年2月15日(水)、16日(木)、18日(土)、19日(日) 東京文化会館大ホール
公式HPはコチラ
 
 

取材・文

山口眞子

エフエム東京退社後、フリーのジャーナリストに。アート全般横断を目標にしつつ、最近はクラシック音楽雑誌、プログラムノート等を執筆。著書に『全国やきもの市めぐり』、共著に『ガラス器を楽しむ』『東京の美術館』(以上、講談社)、『200CDクラシック音楽の聴き方上手』『オペラ・ギャラリー50』(以上、学習研究社)、『クラ女のショパン』(河出書房新社)など。2011年までフジテレビ・アートネットにクラシック音楽情報、コラムなどを連載。

TEL:045-330-2178 月〜金 9:30〜18:30 祝日は除く
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NEWS
  • 2017.02.14
    2017年2月、3月の一部番組の放送時間変更のお知らせ
    2月19日に初放送を予定しております【ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」】の番組時間が想定より長いことが判明致しました。そのため、既にお知らせしております2月、3月の放送時間が下記の通り一部変更となります。詳しくはWEBサイトの日別番組表でご確認ください。

    2/19(日)
    ■変更前
    21:00~22:35 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
    22:35~23:05 クラシカ・音楽人〈びと〉「IIJ会長 鈴木幸一~音楽を愛し支える」
    23:05~24:00 ドキュメンタリー「ボリショイ・スタイルを求めて」

    ■変更後
    21:00~22:40 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
    22:40~23:10 クラシカ・音楽人〈びと〉「IIJ会長 鈴木幸一~音楽を愛し支える」
    23:10~24:00 ドキュメンタリー「ボリショイ・スタイルを求めて」

    2/20(月)
    ■変更前
    21:00~22:45 アレクサンダー・エクマンの『ある白鳥の湖』
    22:45~24:20 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
      ↓
    ■変更後
    21:00~22:40 アレクサンダー・エクマンの『ある白鳥の湖』
    22:40~24:20 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」

    2/21(火)
    ■変更前
    17:00~18:45 アレクサンダー・エクマンの『ある白鳥の湖』
    18:45~20:20 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
      ↓
    ■変更後
    17:00~18:40 アレクサンダー・エクマンの『ある白鳥の湖』
    18:40~20:20 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」

    2/22(水)
    ■変更前
    13:00~14:45 アレクサンダー・エクマンの『ある白鳥の湖』
    14:45~16:20 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
      ↓
    ■変更後
    13:00~14:40 アレクサンダー・エクマンの『ある白鳥の湖』
    14:40~16:20 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」

    2/23(木)
    ■変更前
    10:00~11:45 アレクサンダー・エクマンの『ある白鳥の湖』
    11:45~13:20 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
      ↓
    ■変更後
    10:00~11:40 アレクサンダー・エクマンの『ある白鳥の湖』
    11:40~13:20 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」

    2/24(金)
    ■変更前
    7:45~9:20 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
    9:20~10:00 ゲルギエフのショスタコーヴィチ「交響曲第9番」
      ↓
    ■変更後
    7:45~9:25 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
    9:25~10:00 ゲルギエフのショスタコーヴィチ「交響曲第9番」

    2/25(土)
    ■変更前
    15:55~17:30 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
    17:30~19:20 ラトル&ロンドン響2016「20世紀フランス音楽の夕べ」
      ↓
    ■変更後
    15:55~17:35 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
    17:35~19:20 ラトル&ロンドン響2016「20世紀フランス音楽の夕べ」

    3/5(日)
    ■変更前
    17:35~19:10 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
    19:10~21:00 ラトル&ロンドン響2016「20世紀フランス音楽の夕べ」
      ↓
    ■変更後
    17:35~19:15 ブロムシュテット&P・ゼルキン「ゲヴァントハウス定期演奏会2016」
    19:15~21:00 ラトル&ロンドン響2016「20世紀フランス音楽の夕べ」
  • 2017.02.14
    番組ガイド内容誤表記のお詫び
    2月号、3月号の番組ガイドの索引におきまして、下記タイトルの番組情報表記に誤りがございました。
    謹んでお詫び申し上げます。

    ラトル&ロンドン響2016「20世紀フランス音楽の夕べ」

    <誤>
    [演目]フランシス・プーランク:二重混声合唱のためのカンタータ『人間の顔』、シャルル・ケクラン:ラドヤード・キップリングの「ジャングル・ブック」を題材にした『レ・バンダール=ログ』(猿のスケルツォ)、ジェルジ・クルターク:厳かな小音楽~ピエール・ブーレーズの90歳の誕生日に(ドイツ初演)、モーリス・ラヴェル:バレエ『ダフニスとクロエ』[指揮]サー・サイモン・ラトル[演奏]ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン放送合唱団[合唱指揮]ギース・レーンナールス[収録]2016年2月20日フィルハーモニー(ベルリン)
    ■字幕/約1時間41分

    <正>
    [演目]モーリス・ラヴェル:クープランの墓(プレリュード/フォルラーヌ/メヌエット/リゴドン)、アンリ・デュティユー:ヴァイオリン協奏曲『夢の樹』、モーリス・ドラージュ:4つのインドの詩、アンリ・デュティユー:メタボール、モーリス・ラヴェル:バレエ『ダフニスとクロエ』第2組曲[指揮]サー・サイモン・ラトル[演奏]ロンドン交響楽団、レオニダス・カヴァコス(ヴァイオリン)ジュリア・ブロック(ソプラノ)[収録]2016年1月13日バービカンホール(バービカンセンター内、ロンドン)[映像監督]フランソワ=ルネ・マルタン
    ■ 字幕/約1時間41分
  • 2016.11.10
    放送障害のお詫び
    2016年11月10日(木)10時07分頃、番組宣伝映像におきまして、映像が止まるなど、お見苦しい箇所が御座いましたことをお詫び申し上げます。

    今後ともクラシカ・ジャパンをよろしくお願い申し上げます。
  • 2016.09.30
    10月編成変更のお知らせ
    10月9日(日)21時~放送の BBCプロムス2016「バレンボイム&アルゲリッチ」 において、公演プログラムに変更があり、予定より長いコンサートとなりました。

    そのため、既にお知らせしております10月の編成内容が一部変更となります。

    10月9日(日)~15日(土)、23日(日)の放送スケジュールについては、各日別番組表のページをご確認ください。
  • 2016.04.04
    ザルツブルク・イースター音楽祭2016『オテロ』の公演収録日について
    ザルツブルク・イースター音楽祭2016『オテロ』につきまして、3月27日公演を放送予定でしたが、主催者側の都合により、3月27日には映像収録が行われませんでしたので、クラシカ・ジャパンでは、予定を変更して3月19日プレミエ公演を日本語字幕付きで放送いたします。
  • 2016.03.01
    『スカパー!プレミアムサービス 新規加入キャンペーン』
    3月中にスカパー!プレミアムサービスにて、クラシカ・ジャパンのご視聴をお申込みいただくと、4月、5月の2ヵ月間、各月の月額視聴料が1,000円(税込)になります!
    3月31日(木)のお手続き完了分まで対象となります。今が加入のチャンス!
    詳しくは、スカパー!0120-039-888(受付時間/10:00~20:00年中無休)までお電
    話ください。
  • 2015.10.30
    ホームページをリニューアルしました。
    ホームページをリニューアルし、10月30日に公開いたしました。コラムやアーティスト・インタビュー、クラシックの動画、放送情報などが楽しめるように内容をより分かりやすくし、デザインや構成を見直しております。今後、内容をさらに充実してまいりますので、引き続き、クラシカ・ジャパンをよろしくお願いします。
  • 2015.10.28
    スカパー!プレミアムサービス、プレミアムサービス光でクラシカ・ジャパンをご視聴頂いているお客様へ
    2015年10月26日(月)深夜3時より放送のシリーズ「明日のスターたち」#12はメンテナンスの為、スカパー!プレミアムサービスまたはスカパー!プレミアムサービス光にご加入のお客様はご視聴いただけません。一部の番組表に番組名の記載があり、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
  • 2015.10.20
    11月の番組情報を公開いたしました。
    11月の番組表情報と番組表・番組ガイドのebookをUPしました。ぜひご覧ください。
  • 2015.10.07
    番組情報表記変更のお詫び
    2015年9月より放送している「ボリショイ・バレエ1991『ジゼル』」におきまして、番組情報表記に一部誤りがございました。下記の通り変更し、お詫び申し上げます。

    【変更前】
    ヴィクトール・バリキン(アルベルト)

    【変更後】
    アレクセイ・ファジェーチェフ(アルベルト)