バルセロナのフローレス『チェネレントラ』
La Cenerentola

ロッシーニ25歳の作品で、『セビリアの理髪師』の翌年に作曲された『チェネレントラ』は、素晴らしいアリアと重唱、早口ソングやドタバタ喜劇も満載。原作は有名なペローの童話ですが、オペラでは継母が継父になり、ヒロインを宮殿に導くのは魔法使いではなく王子の指南役の哲学者アリドーロ。キーグッズがガラスの靴ではなく腕輪というところもポイントです。
この番組は、現代最高の人気テノール、フアン・ディエゴ・フローレスとアメリカの人気メゾ・ソプラノ、ジョイス・ディドナートが2007年バルセロナのリセウ大劇場で共演し大評判を呼んだ公演。気品のあるスタイルと伸びやかな歌声が特徴の二人のスーパースターの魅力が満開。さらにドン・マニフィコ役を得意とするベテランのブルーノ・デ・シモーネ、ダンディーニを演じるダビド・メネンデスやアリドーロ役のシモン・オルフィアといった若手スペイン人歌手が全員芸達者なのも見どころ。
カラフルな装置と衣裳、そしてねずみのダンサーなど、子供から大人まで楽しめる軽妙でポップな演出はバルセロナの劇団「Comediants」を主宰するホアン・フォント。指揮はアメリカ人のパトリック・サマーズ。
[ストーリー]ドン・マニフィコの娘にはクロリンダとティスベの他に、「灰まみれ」という意味のチェネレントラと呼ばれるアンジェリーナがいた。王子ドン・ラミロと王子に扮した侍従ダンディーニは3人の娘を舞踏会に招待する。王子とチェネレントラは見初めあい、チェネレントラは王子の家庭教師アリドーロの力で宮殿に赴く。彼女は王子に腕輪を渡し立ち去るが、王子はチェネレントラを探し出し2人は結ばれる。
[出演]フアン・ディエゴ・フローレス(ドン・ラミロ/テノール)ジョイス・ディドナート(アンジェリーナ《チェネレントラ》/メゾ・ソプラノ)ブルーノ・デ・シモーネ(ドン・マニフィコ/バス・バリトン)ダビド・メネンデス(ダンディーニ/バリトン)クリスティーナ・オブレゴン(クロリンダ/ソプラノ)イトクサロ・メントクサカ(ティスベ/メゾ・ソプラノ)シモン・オルフィラ(アリドーロ/バス)アンデル・アラボラーザ、ホフレ・カラベン、ハビエル・エストラダ、ブランカ・フェレール、ジェンマ・ガルシア、フリア・M・コシュ、エクトル・マンサナレス、アンヘル・ソーテス(ねずみ)
[演目]ジョアキーノ・ロッシーニ:2幕のドランマ・ジョコーゾ『チェネレントラ、あるいはまごころの勝利』(アルベルト・ゼッダ監修によるロッシーニ財団のクリティカル・エディション)[台本]ヤコポ・フェルレッティ[原作]シャルル・ペローの童話『サンドリオン(シンデレラ)』、ニコロ・イズアール作曲『サンドリヨン』のためのシャルル=ギョーム・エティエンヌによる台本、ステーファノ・パヴェージ作曲『アガティーナ、報いられた美徳』のためのフランチェスコ・フィオリーニによる台本[演出]ホアン・フォント[装置&衣裳]ホアン・ギーエン[照明]アルベルト・ファウラ[振付]セビ・ドルカ[指揮]パトリック・サマーズ[演奏]リセウ大劇場交響楽団及び同合唱団[合唱指揮]ホセ・ルイス・バッソ[収録]2008年1月リセウ大劇場(バルセロナ)[映像監督]シャビ・ボーベ
■字幕/全2幕:約2時間49分
(c) Toni Bofill
放送日時 | 開始時刻 | 放送時間 |
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