2019 / 06 / 24
Bunkamura30周年記念 来日公演を控えたバルセロナ交響楽団を大野和士が語る【Vol.2 来日公演について】
Bunkamura30周年の一環として、大野和士率いるバルセロナ交響楽団が7月24日に24年ぶりの来日公演を行う。大野は2012年に初めて同楽団と共演。熱烈なオファーを受け、2015年9月に音楽監督に就任した。年に10週間の公演とツアーなどを指揮しているという大野に、来日公演の演目であるベートーヴェンの「第九」とバルセロナの新鋭ファビア・サントコフスキー作曲の「2つの三味線のための協奏曲」について話を聞いた。
取材:石川了(クラシカ・ジャパン編成部)/文:井手朋子(クラシカ・ジャパン編成部)
ベートーヴェンの「第九」について、大野は「バルセロナ交響楽団の誕生において、大変重要で鍵となる曲」とコメント。1930年代後半、後の独裁者となるフランシスコ・フランコがカタルーニャの国境を越えたとき、パブロ・カザルスが自身のフェスティバルオーケストラで指揮していた曲が「第九」であり、そのオーケストラが母体となってできたのがバルセロナ交響楽団なのだ。この楽団と「第九」の縁の深さを語る大野のインタビューを、ぜひ動画でご覧いただきたい。
「2つの三味線のための協奏曲」は、今年5月にバルセロナにて世界初演された楽曲。作曲者のファビア・サントコフスキーは、2015年に武満徹作曲賞で第2位になったカタルーニャの俊英で、大変な日本ファンとのこと。三味線を演奏する吉田兄弟の弟・健一氏は、これまでバルセロナの音楽学校で特別コースを何度も開催するほどバルセロナとは縁があり、この度大野の提案で2人のための三味線コンチェルトが生まれることとなった。国際色豊かなバルセロナ交響楽団ならではのコラボレーションを、ぜひ会場で堪能したい。
Bunkamura30周年 大野和士指揮 バルセロナ交響楽団
日時:2019年7月24日(水)19:00
会場:Bunkamuraオーチャードホール
演目
ファビア・サントコフスキー:2つの三味線のための協奏曲(2019年5月バルセロナにて世界初演)
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付」
指揮:大野和士
管弦楽:バルセロナ交響楽団
三味線:吉田兄弟
ソプラノ:ジェニファー・ウィルソン
メゾ・ソプラノ:加納悦子
テノール:デヴィッド・ポメロイ
バス:妻屋秀和
合唱:東京オペラシンガーズ
https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/19_barcelona/
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【Vol.3 オーチャードホールと大野和士】