2019 / 08 / 23
バーンスタインの『ヤング・ピープルズ・コンサート』 シーズン2
≪おススメエンターテイメント≫
クラシカ・ジャパンが自信をもっておすすめするプログラム。
2019年8月放送のラインナップから、今回は「バーンスタインの『ヤング・ピープルズ・コンサート』 」をご紹介します。
新たに発掘されたバーンスタイン伝説のTVシリーズ『ヤング・ピープルズ・コンサート』のシーズン2。第17話はアメリカの作曲家アイヴズに迫る。
レナード・バーンスタインが司会を務める『ヤング・ピープルズ・コンサート』は、米CBSで1958~1972年に放送された伝説的なテレビシリーズです。バーンスタイン自身が構成も務め、ニューヨーク・フィルの演奏、多数の名音楽家など、出演陣は実に豪華。
なにより、バーンスタインならではのユニークなテーマ設定と明快な説明が貴重。映像は古さを感じさせますが、音質は良好で、子供から大人まで、初心者でもかなりのリスナーでも楽しめる、必見のシリーズです。
クラシカ・ジャパンはこれまで25話を放送してきましたが、2018年のバーンスタイン生誕100年を機に、新たに27話がHD映像化され、シーズン2として日本初放送します。
第17話のテーマは、チャールズ・アイヴズ。アメリカのみならず、音楽史全体の中でも屈指のユニークな作曲家であり、その唯一無二の作風に迫ります。
バーンスタインは登場するなり、騒音音楽のような「はしご車のゴング、あるいはメイン・ストリートを行く消防士のパレード」を始め、客席にこの曲の作曲家は誰?と問いかけます。そしてアイヴズについて長い説明が行われ、演奏曲に多くのアメリカ民謡の旋律の断片があることを抜き出して説明します。

(c)Unitel
番組を通して、アイヴズの開拓者精神をバーンスタインは称え続ける
そして演奏されるのが「ワシントン誕生日」。それぞれはゴキゲンなメロディなのに、全体ではなんとも不気味で不思議な響きに溶け込んでしまうという、アイヴズの面目躍如たる一編です。これらの作品が作られたのは、この番組放送時のほぼ半世紀前であることも説明されますが、100年近く経った現在もなお、斬新で色あせていないことも驚きです。
続いて、ユーモラスなバンドのマーチや、名バス歌手として活躍したサイモン・エステスが登場してリンカーンについて語った歌曲が演奏され、最後に取り上げられるのは「答えのない質問」。1908年の作品で、アイヴズの代表作のひとつでもあります。その謎めいた神秘性に込められたメッセージは何なのか。収録時も現在でも、その問いは投げかけられ続けています。そうしたアイヴズの開拓者精神を、バーンスタインは番組を通して称え続けるのです。
[出演]レナード・バーンスタイン(お話・指揮・ピアノ)ニューヨーク・フィルハーモニック、サイモン・エステス(バス)[演目]チャールズ・アイヴズ:「はしご車のゴング、あるいはメイン・ストリートを行く消防士のパレード」/ホリデー・シンフォニー『ニューイングランドの祝祭日』~第1曲「ワシントン誕生日」/行進曲『サーカス・バンド』/「偉大なる庶民リンカーン、偉大な解放者」/「答えのない質問」
[収録]1967年1月21日フィルハーモニック・ホール、リンカーン・センター(ニューヨーク)[オリジナル放映日]1967年2月23日[映像監督]ロジャー・イングランダー
初回放送日:8月28日(水) 21:00~22:00