2019 / 08 / 29
ボリショイ・バレエ2003『ファラオの娘』
≪おススメバレエ≫
クラシカ・ジャパンが自信をもっておすすめするバレエ公演。
2019年9月放送のラインナップから、今回は「 ボリショイ・バレエ2003『ファラオの娘』」をご紹介します。

(c)Viacheslav Podorozhny
ボリショイ・バレエが誇る世界的ダンサー、スヴェトラーナ・ザハーロワが主役アスピシアを踊った!
タイムスリップした若き英国人探検家と美しい王女の波乱万丈の恋。マリウス・プティパの出世作を、ピエール・ラコットが巨大スケールで再現。
古典バレエの巨匠マリウス・プティパの出世作『ファラオの娘』が、2000年、現代の振付家ピエール・ラコットによって蘇りました。この番組は、ボリショイ・バレエが誇る世界的ダンサー、スヴェトラーナ・ザハーロワが主役アスピシアを踊った2003年10月のボリショイ劇場公演です。
英国の探検家ウィルソン卿は、ピラミッドの中で古代エジプトにタイムスリップ。エジプト貴族のタオールに変身した彼はファラオの娘アスピシアと恋に落ち、2人は王が決めた彼女の結婚相手からの逃避行を決意しますが・・・。ちょっと切ないハッピーエンドまで、バレエとしての構成は古風ですが、舞台美術の豪華さと衣裳の鮮やかさは壮観です。

(c)Damir Yusupov
ロシア西部劇場の芸術監督に就任した、岩田守弘さんも出演
何といってもアスピシアを演じるザハーロワの素晴らしさは必見。ディヴェルティスマンやナイル川の底で踊る彼女は、テクニックの高さや回転の精度の高さ、抜群の容姿はもちろん、長い手足が風のように舞い、水の中を麗しく流れるとき、ザハーロワの発する美のオーラは私たちの心を掴んで離しません。
この公演は彼女がマリインスキー・バレエからボリショイ・バレエに移籍した頃にあたり、前者の優雅なスタイルがボリショイのダイナミックなカラーに新鮮さを与えているのかもしれません。
ウィルソンを踊るセルゲイ・フィーリンの跳躍の高さ、ラムゼ役のマリーヤ・アレクサンドロワの高速スピン、さらに脇役一人ひとりに至るまで、そのダイナミックな踊りはまさにボリショイならでは。おとぎ話のようなストーリーとドラマティックな音楽、豪華な舞台美術、そして最高レベルのダンサーたち。バレエ入門者でも存分に楽しめる番組です。
[出演]スヴェトラーナ・ザハーロワ(アスピシア)セルゲイ・フィーリン(ウィルソン卿/タオール)マリーヤ・アレクサンドロワ(ラムゼ)ゲンナジー・ヤーニン(ジョン・ブル/パッシフォンテ)アンドレイ・シトニコフ(ファラオ)アンドレイ・メラーニン(ヌビア王)ドミトリー・グダノフ(漁師)インナ・ペトロヴァ(漁師の妻)ウラディーミル・モイセーエフ(ナイル神)岩田守弘(猿)ボリショイ・バレエ団
[振付・脚色・演出・装置・衣裳]ピエール・ラコット[オリジナル振付]マリウス・プティパ[オリジナル台本] ジュール=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ、マリウス・プティパ[原作]テオドール・ゴーティエの小説『ミイラの物語』[照明]アレクサンダー・ルブツォフ[音楽]チェーザレ・プーニ[編曲&指揮]アレクサンドル・ソトニコフ[演奏]ボリショイ劇場管弦楽団[収録]2003年10月27日・29日・31日ボリショイ劇場(モスクワ)[映像監督]デニス・カイオッツィ
初回放送日:9月2日