2019 / 09 / 20
シュレプファー&バレエ・アム・ライン『白鳥の湖』
≪おススメバレエ≫
クラシカ・ジャパンが自信をもっておすすめするバレエ公演。
2019年9月放送のラインナップから、今回は「 シュレプファー&バレエ・アム・ライン『白鳥の湖』 」をご紹介します。
次期ウィーン国立バレエ芸術監督マーティン・シュレプファー振付の衝撃の舞台!
ドイツ・ライン歌劇場(本拠地はデュッセルドルフ及びデュースブルグ)のバレエ・カンパニー「バレエ・アム・ライン」が2018年に上演した『白鳥の湖』の振付は、スイス出身で現在同団芸術監督を務めるマーティン・シュレプファー。
ヨーロッパ各国のバレエ団にも作品を提供する人気振付家は、国際的な受賞も多く、2020年からマニュエル・ルグリの後任としてウィーン国立バレエの次期芸術監督に就任予定です。
暗いステージ、コントラストの効いたモノトーンが基調の照明の下、通常のドレスではなく普通の服を着た男女、チュチュを身に付けない白鳥たち。クラシカルでありながらコンテンポラリーの要素も混在するモダンで大胆な振付は演劇的な要素も強く、登場人物の踊りや仕草が極めてリアル。
ジークフリートとオデットの結びつきも複雑で、お互いの強い葛藤や親との確執など、人間の苦悩や欲望、内奥の闇が浮かび上がってくるのです。

(c)Gert Weigelt
オデットの継母と祖父の対決!果たしてオデットとジークフリートの運命は如何に?
そうした表現を成立させているのは、主役の2人やオディールといったダンサーたちの力量と、振付におけるクラシックとモダンのバランス感覚でしょう。
ジークフリートとオデットのパ・ド・ドゥは、第2幕のグラン・アダージョでも終幕でも、高いリフト、速い回転、ブレない力強さや鋭いキレがあってこそ、その生々しい感情や官能性が赤裸々に。
この『白鳥の湖』は、シュレプファーにとって最初の全幕振付作品で、通常のプティパ/イワノフ版ではなく初演時の台本とチャイコフスキーの原典版を基にしています。
オデットの継母がロットバルトと共謀してオデットを白鳥に変えてしまうが、オデットに生涯の愛を誓う人が現れた時にその呪いが解けるというもの。オデットの祖父(湖はオデットの母が死去したときに祖父の涙でできたもの)も登場し、第4幕の劇的な展開には目が離せない。果たして、オデットとジークフリートの運命は如何に?
[出演]マルコス・メンハ(ジークフリート)マルルシア・ド・アマラル(オデット)ホ・ヨンスン(オデットの継母)ソニー・ロクシン(ロットバルト)ヴァージニア・セガーラ・ヴィダル(ジークフリートの母)チドジー・ンゼレム(式部長)アレクサンドレ・シモエス(ベンノ)カミール・アンドリオ(オディール)ボリス・ランドツィオ(オデットの祖父)加藤優子、キム・ソヨン、中ノ目知章、エリック・ホワイト(継母の側近)バレエ・アム・ライン
[振付]マーティン・シュレプファー[音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー:バレエ『白鳥の湖』Op.20[オリジナル台本]ウラディーミル・ベギチェフ&ワシリー・ゲルツァー[装置&衣裳]フローリアン・エッティ[照明]シュテファン・ホリガー[ドラマトゥルギー]アンヌ・ド・パコ[指揮]アクセル・コーバー[演奏]デュッセルドルフ交響楽団[収録]2018年デュッセルドルフ歌劇場(ドイツ)[映像監督]ペーター・シェーンホーファー
初回放送日:9月23日