2019 / 11 / 20
ドゥダメル&ベルリン・フィル2017「アダムズ&ドヴォルザーク」
≪おススメコンサート≫
クラシカ・ジャパンが自信をもっておすすめするコンサート。
2019年11月放送のラインナップから、今回はドゥダメル&ベルリン・フィル2017「アダムズ&ドヴォルザーク」 をご紹介します。
絶好調のドゥダメルが、自らが世界初演したアダムズ作品と、名作「新世界より」
ベネズエラ出身、世界のトップを走り続ける指揮者グスターボ・ドゥダメル。
2017年6月のベルリン・フィルとの共演に用意した演目は、ジョン・アダムズとドヴォルザークの名作による、ひとひねりある「アメリカ・プロ」。興奮のステージが実現しました。
2009年10月にドゥダメルがLAフィル音楽監督就任コンサートで世界初演した、アダムズ「シティ・ノワール」。LAフィルの委嘱で作られた、古き佳きロサンゼルスがテーマとなった作品であり、ドゥダメルのための曲とも言える本作を引っ提げてのベルリン・フィル客演は注目を集めました。
果たして、LAフィルの明るく輝かしい色彩とは好対照の、ベルリン・フィルらしい重心の低い渋めの力強いアダムズ演奏が実現しました。
全力で弾き切る弦にロータリートランペットの音色など、この楽団ならではの面白さを存分に楽しめます。大活躍するサクソフォンは、アメリカの代表的名手ティモシー・マカリスターが、立ち上がりながら圧巻のソロを聴かせます。

(c)Monika Rittershaus
後半は名作中の名作、ドヴォルザーク『新世界より』
多くの特殊楽器を含む大編成の前半と比べて、後半は通常の編成で人数が減りますが、ドゥダメルとベルリン・フィルにかかればそのエネルギーは勝るとも劣りません。
この日はドゥダメルのドライヴでオケの能力と表現意欲が全開、第4楽章はとにかくすさまじく、ドヴォルザークらしさとか指揮者の解釈が云々といったことは忘れて、スーパーオーケストラがリミッターを外した演奏ぶりに圧倒されるばかり。
聴衆の歓声はブラボーどころか、ほとんど悲鳴のような叫び声と指笛に包まれ、異常な熱狂が生まれました。ベルリン・フィルの何たるかをこの上なく示す、圧巻のライヴ映像です。
[演目]ジョン・アダムズ:シティ・ノワール、アントニーン・ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95, B.178『新世界より』[指揮]グスターボ・ドゥダメル[演奏]ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ティモシー・マカリスター(サクソフォン)
[収録]2017年6月9日フィルハーモニー(ベルリン)[映像監督]ミヒャエル・ベイヤー
初回放送日:11月22日