2018 / 04 / 06
英国ロイヤル・オペラ・ハウス 2017/18 シネマシーズン『冬物語』
【オデット】

©2018 ROH. Photographed by Tristram Kenton
2014年に英国ロイヤル・バレエで初演された、クリストファー・ウィールドン振付『冬物語』。シェイクスピア原作の3幕から成る物語バレエだ。英国ロイヤル・バレエにおいてイギリス人振付家によるシェイクスピア劇のバレエ化は、1965年制作のケネス・マクミランの『ロミオとジュリエット』以来約半世紀ぶり。しかも2014年はシェイクスピア生誕450周年だったこともあり、公演は大成功を収めた。ウィールドンにとって英国ロイヤル・バレエのための全幕バレエの振付作品は、2011年『不思議の国のアリス』以来で、『アリス〜』のスタッフが再び集まった。
この作品が、2018年2月13日から3月21日まで再演された。主役のシチリア王に平野亮一、そのほか金子扶生、高田茜ら日本人ダンサーもキャスティングされており、関心が高まっていた。ライブビューイングされる公演日は初演時のキャストだったのだが、シチリア王のエドワード・ワトソンが怪我で降板したため、平野亮一が出演し、平野のパフォーマンスを見ることができることとなった。スティーヴン・マックレー演じるフロリゼル王子もライブビューイングの公演日は怪我で降板したため、ワディム・ムンタギロフが登場する。
平野演じるシチリア王の嫉妬から物語は展開していく。その嫉妬ぶりは尋常ではない。王のプライドを誇示しつつ、王妃(ローレン・カスバートソン)と友人であるボヘミア王(マシュー・ボール)の仲を疑い、嫉妬に狂う様は鬼気迫る。彼らはそれぞれ役作りを徹底的にしており、ウィールドンも思い切り踊らせているので見どころは尽きない。第2幕のボヘミアの村ではその前後の宮廷でのクラシック・バレエの踊りとは異なる素朴でフォークロアな踊りが楽しめる。また舞台上にミュージシャンが村の音楽家として登場し演奏するという臨場感も楽しい。
演技力が光る英国ロイヤル・バレエによる物語バレエの世界を存分に楽しみたい。(結城美穂子)
英国ロイヤル・オペラ・ハウス 2017/18 シネマシーズン『冬物語』
・上映劇場
2018年4月20日(金) ~
TOHOシネマズ日本橋、イオンシネマ シアタス調布、TOHOシネマズ流山おおたかの森、TOHOシネマズららぽーと横浜、TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、イオンシネマ京都桂川、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ西宮OS
2018年4月21日(土) ~
ディノスシネマズ札幌、フォーラム仙台、中洲大洋映画劇場
詳細は公式HPにてご確認ください↓↓
http://tohotowa.co.jp/roh/movie/winter.html