2018 / 06 / 05
NBAバレエ団『ショート・ストーリーズ・9─バレエ・インクレディブル』スタジオ・リハーサル見学レポート
【オデット】
新制作の『海賊』で話題を振りまいたNBAバレエ団が、間をあけることなく、今度は9作品も用意してガラ公演を6月15~17日に行います。着々と仕上がっている様子をスタジオ・リハーサルにお邪魔して何作品か拝見してきました。

『ガチョーク賛歌』©️NBAバレエ団
『ガチョーク賛歌』。『HIBARI』を振り付けたリン・テイラー・コーベットの振付作品です。衣裳も照明もないスタジオだからこそ、ダンサーそれぞれのキュートな表情、敏捷なダンスが際立ちました。

『11匹わんちゃん』©️NBAバレエ団
宝満直也振付の新作『11匹わんちゃん』。宝満によると機敏に動ける男性陣を見ていたらわんちゃんに見えてきて、それでこの作品を作ることになったのだとか。コミカルで楽しい作品なのですが、作っていくうちにどんどんハードな振付になってしまったそうで、それでもみな大変な勢いで踊っていました。

『La Vita』©️NBAバレエ団
もうひとつの新作、佐藤圭振付の『La Vita』。あるピアニストからピアノの小品を渡され、これを使用して人生や命がつながっていくことを表現する作品に仕上げたとのこと。短い曲にストーリーを作り込むのは大変だったそうですが、しっとりと美しく、強烈に語りかけてくるものがありました。
このほか、2013年にNBAバレエ団が初演して以来、人気のレパートリーである『ケルツ』。アイリッシュ・ダンスの技巧をバレエに取り入れたこの作品は、リズム、ステップが楽しく、目が釘付けになりました。『ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番』、コンチェルト丸ごと1曲を使用した見ごたえたっぷりのこの作品からも一部披露されました。
かなり体力的にハードな、かつ高度なテクニックを必要とする作品ばかりで構成されている今回のガラ公演。充実した演目は、このカンパニーには、踊りたくてたまらないイキのいいダンサーがたくさんいることの証明となっています。男性群のエネルギーに圧倒されますが、女性もスタミナのある強靭なダンサーが揃っています。本番は、ガラらしくもっと華やぐに違いありません。(結城美穂子)
・公演内容
第一部
1. スターズ アンド ストライプス
2. ガチョーク賛歌よりトリオ
3. La Vita(佐藤圭新作)
4. ケルツ(全編)
第二部
5. ロミオとジュリエットよりパ・ド・ドゥ
6. ザ・リバーよりボーテックス
7. 海賊よりパ・ド・トロワ
8. 11匹わんちゃん(宝満直也新作)
第三部
9. ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番
※演目の順番は変わる可能性があります。
・公演詳細
NBAバレエ団 ショート・ストーリーズ9
6月15日(金)14:00/19:00
6月16日(土)15:00
6月17日(日)15:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場大ホール
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