2018 / 11 / 08
東京バレエ団『20世紀の傑作バレエ2』

「イン・ザ・ナイト」より Photo by Kiyonori Hasegawa

「ボレロ」より Photo by Kiyonori Hasegawa
モーリス・ベジャール振付の『ボレロ』では、“リズム”と呼ばれる群舞が“メロディ”と称される1人の踊り手を取り囲み、赤い円卓の上で神聖なダンスの儀式を繰り広げる。ラヴェルの迫り来るテーマに呼応するようにダンサーたちが舞う本作は、踊り手によって作品の趣が変化する。本公演では上野水香と柄本弾が日替わりで登場するので、踊り手による群舞の変化を楽しみにしたい。
ジョン・ノイマイヤーが創作した『スプリング・アンド・フォール』では、ドヴォルザークの「弦楽セレナーデ」にのせて7人の女性ダンサーと10人の男性ダンサーが躍動美を披露する。季節の変化と移ろいをモチーフに描いたこの叙情的な作品で、奥深いノイマイヤーの世界を堪能したい。
イリ・キリアン振付の『小さな死』は、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番と第23番のゆったりとした調べに乗せ、男女の繊細な関係を表現していく珠玉の小品。舞台には男女6人ずつの踊り手と6本の剣が登場し、剣は存在感を放つシンボルとなる。キリアン自身が「熟考の末に選り抜いた」と語るモーツァルトの音楽が、愛と官能、生と死というテーマに寄り添う。
ダンスの醍醐味が詰まったプログラムと言っても過言ではない本公演。斎藤友佳理が2015年に芸術監督に就任して以来、進化し続けている東京バレエ団の“今”を知るにも絶好の機会と言えるだろう。
クラシカ・ジャパン編成部 井手朋子
20世紀の傑作バレエ2
日時:2018年11月30日(金)19:00/12月1日(土)13:00、17:00/12月2日(日)14:00
会場:新国立劇場 中劇場
「イン・ザ・ナイト」
振付:ジェローム・ロビンズ
音楽:フレデリック・ショパン
予定される主な出演者
11月30日、12月2日:上野水香、川島麻実子、沖香菜子、柄本弾、秋元康臣、ブラウリオ・アルバレス
12月1日:川島麻実子、金子仁美、秋山瑛、柄本弾、宮川新大、ブラウリオ・アルバレス
「ボレロ」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:モーリス・ラヴェル
予定される主な出演者
11月30日、12月2日:上野水香/12月1日:柄本弾
「スプリング・アンド・フォール」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:アントニン・ドヴォルザーク
予定される主な出演者
11月30日、12月2日:川島麻実子、柄本弾/12月1日:沖香菜子、秋元康臣
「小さな死」
振付:イリ・キリアン
音楽:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
※「小さな死」の配役は、11月12日以降、東京バレエ団のホームページをご参照ください。
お問い合わせ:NBSチケットセンター 03-3791-8888(平日10:00~18:00/土曜10:00~13:00)
https://www.nbs.or.jp/stages/2018/20ballet/index.html