2019 / 03 / 11
「山田和樹 アンセム・プロジェクト」のCDレコーディング現場に潜入!~マエストロ山田和樹、作曲家の信長貴富、キングレコード松下久昭プロデューサーにその全容を聞く

レコーディングを行う山田和樹と東京混声合唱団
世界の国歌や第2の国歌のような位置づけで親しまれている各国の愛唱歌(アンセム)を録音し、同時にそれらをコンサートで披露したり、楽譜として残していこうという一大企画「山田和樹 アンセム・プロジェクト」が始動中だ。核となるのはCDの録音で、2017年3月には山田が音楽監督を務める東京混声合唱団、正指揮者を務める日本フィルハーモニー交響楽団と共に、プロジェクトのキックオフとなるレコーディングを実施(2017年11月に2枚組CD『山田和樹 アンセム・プロジェクト Road to 2020』としてリリース済)。翌2018年2月には、関連コンサート「音楽で描く世界地図 アンセム(愛唱歌)プロジェクト Road to 2020」も開催した。
今回のプロジェクトは、山田が東京混声合唱団の音楽監督を務める中で「活動の指針となるような大きなことができないか」と考えたことがきっかけだったという。各国のアンセムを、その国の言語で歌うという本プロジェクト。予定している曲は、なんとトータルで200曲近くにも及ぶという。
クラシカ・ジャパンでは、プロジェクトのレコーディング現場に潜入し、山田和樹をはじめ、編曲監修を行う作曲家の信長貴富、キングレコードのプロデューサーである松下久昭に話を聞いた。編曲は、信長を中心とした7名の作曲家が担当し、取材の時点では約90曲のレコーディングを終えたという。山田は、実際に歌を担当する東京混声合唱団のメンバーたちの苦労にも触れつつ「いろいろな曲との出会いが嬉しい」と話す。
2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて加速していく本プロジェクト。今年3月17日には、テノール歌手・西村悟を迎えてのBunkamura30周年記念<山田和樹アンセム・プロジェクト Road to 2020>も控えている。曲目は、山田が音楽的に最も感激したというコモロ連合の国家をはじめ、ジョン・ウィリアムス編曲のアメリカ国歌、プッチーニ作曲「誰も寝てはならぬ」、ホルスト作曲「ジュピター」の合唱・管弦楽による特別版など、盛りだくさんの内容だ。レコーディングの方も引き続き行い、2019年秋に第2弾(予定)、オリンピック直前となる2020年春までにはすべての楽曲がお披露目となる模様だ。
取材:クラシカ・ジャパン編成部 石川了/文:クラシカ・ジャパン編成部 井手朋子
インタビュー動画はこちらよりご覧ください。
【山田和樹(指揮者)インタビュー】
【松下久昭(キングレコード プロデューサー)インタビュー】
【信長貴富(作曲家・編曲監修)インタビュー】
<公演情報>
Bunkamura30周年記念
<山田和樹アンセム・プロジェクト Road to 2020>
日程:3月17日(日)15:00
会場:Bunkamuraオーチャードホール
指揮:山田和樹 テノール:西村悟
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京混声合唱団
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
国歌集(君が代、J・ウィリアムズ編曲アメリカ合衆国国歌、コモロ連合国国歌)
グラズノフ:第一次世界大戦の連合国の国歌によるパラフレーズ
武満徹:さくら
信長貴富:アンセム・メドレー
シベリウス:交響詩「フィンランディア」
プッチーニ:「トゥーランドット」より“誰も寝てはならぬ”
ホルスト:組曲「惑星」より“木星”
問い合わせ:Bunkamura 03-3477-3244(10:00~19:00)
https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/19_anthem/