2019 / 03 / 18
上野の春の風物詩、東京・春・音楽祭2019が開幕!~オープニングセレモニーが開催
国内最大級のクラシック音楽の祭典「東京・春・音楽祭」が3月15日より始まり、同日オープニングセレモニーが行われた。セレモニーには、鈴木幸一音楽祭実行委員長をはじめ、バイロイト音楽祭総監督のカタリーナ・ワーグナー氏、駐日オーストリア大使のフーベルト・ハイッス閣下、衆議院議員/外務政務次官の辻 清人氏らが出席。会場となった東京文化会館キャノピーでは、一般客にも祝い酒が振る舞われた。
セレモニーの冒頭で、鈴木幸一実行委員長は「音楽祭期間中は、桜と音楽という上野ならではの春のひとときを楽しんでいただきたい」と挨拶。カタリーナ・ワーグナーは自身が監修・演出を手がける子どものためのオペラ公演について触れ、「オペラを若い世代に親しんでいただこうという想いで始めた『子どものためのワーグナー』がここ日本で初めて行われる。バイロイトでは熱心に訪れてくれる子どもたちがいるが、東京でも同じ反響を得られると大いに確信している」と話した。
記念すべき15回目を迎える今年は、過去最大規模となる200超の公演が予定されており、見どころも多い。巨匠リッカルド・ムーティによる若手音楽家育成のためのプログラム「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.1」や、バイロイト音楽祭との提携で行われる子どものためのオペラ『子どものためのワーグナー』、過去15年の間に音楽祭で歌われてきたオペラの名シーンをガラコンサート形式で披露する「The 15th Anniversary Gala Concert」など、15周年ならではの企画が目白押しだ。もちろん例年注目を集めるシリーズも健在で、vol.10を数えるワーグナー・シリーズでは「さまよえるオランダ人」を、第6回を迎える合唱の芸術シリーズでは大野和士指揮東京都交響楽団と東京オペラシンガーズによる、シェーンベルクの大作「グレの歌」が演奏される。
クラシカ・ジャパンでは、開幕セレモニー後に銭谷眞美氏(東京国立博物館 館長)、二木忠男氏(上野観光連盟 会長)、鈴木幸一氏(東京・春・音楽祭実行委員長)の3名に話を聞いた。期間中は、美術館や博物館でもミュージアム・コンサートが開催されるが、銭谷氏は「東博では毎年バッハの曲を演奏する“東博でバッハ”という催しを行っているが、今年も美術と一緒に音楽を楽しんでいただきたい」とコメント。二木氏は「音楽祭が行われる今の時期は季節も良く、これから上野が盛り上がる。上野は歴史、伝統、文化、芸術、ミュージアムが一堂に会する場所。音楽は文化の象徴とも言えるものなので、今年もいい音楽祭になることを期待している」と話した。鈴木氏は音楽祭の目玉の1つに『子どものためのワーグナー』を挙げ、長年交渉を重ねてようやく実現したというムーティの「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.1」にも思いを巡らせた。
取材:クラシカ・ジャパン編成部 石川了/文:クラシカ・ジャパン編成部 井手朋子
開幕セレモニーとインタビューの模様はこちらの動画よりご覧ください。
東京・春・音楽祭2019
期間:2019年3月15日(金)~4月14日(日)
会場:東京文化会館、東京藝術大学 奏楽堂(大学構内)、旧東京音楽学校奏楽堂、上野学園 石橋メモリアルホール、国立科学博物館、東京国立博物館、東京都美術館、国立西洋美術館、上野の森美術館、東京キネマ倶楽部 他
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
共催:東京文化会館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成:公益社団法人企業メセナ協議会 2021 芸術・文化による社会創造ファンド
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