2019 / 03 / 20
牧阿佐美バレヱ団「プリンシパル・ガラ2019」にYOSHIKIがゲスト出演!
3月16日(土)、文京シビックホール 大ホールで牧阿佐美バレヱ団「プリンシパル・ガラ2019」が行われました。
20年前にX JAPANのYOSHIKIが作曲した『Anniversary』が、今回牧阿佐美振付で披露され、演奏にはYOSHIKI本人がピアノで出演。今年が天皇陛下ご退位の年とあり、この振付には両陛下への感謝の想いが込められているとのこと。ステージ上のYOSHIKIの生演奏と10名のダンサーとのドラマティックなコラボレーションに、会場が感動の渦に包み込まれました。
『Anniversary』は、天皇陛下御即位十年の奉祝曲として、1999年皇居前広場で行われた国民式典で演奏されました。YOSHIKIはこの曲を、「X JAPANの解散やメンバーのHIDEの死去といった絶望の淵にいたときに奉祝曲作曲のオファーをいただき、最大の力を振り絞って生み出した、自身の転機になった楽曲」と語っています。
終演後の囲み取材では、「20年前に奉祝曲として生まれたこの曲を、時を経てバレエ団の皆さんとこのような形でコラボさせていただけるなんて夢のよう」と公演を振り返り、常に国民に寄り添って激動の時代を希望に導いて下さった両陛下への感謝の言葉と共に、時代の変わり目の特別なタイミングで『Anniversary』を披露できたことに、「これまでを振り返りながら、次の新たな時代に希望を持って進みたい。また、アーティストとして、人々に希望を与えられるような芸術をこれからも作り続けていきたい」と感慨深い表情でした。
この公演では、振付家ジャック・カーターが1974年に当バレエ団に伝えた「グラン・パ・ド・フィアンセ」や、『ドン・キホーテ』第3幕の場面、そして芸術やスポーツをこよなく愛した故・高円宮憲仁親王殿下へのオマージュとして2006年に制作された『時の彼方に~ア ビアント~』も上演。16日には高円宮妃久子殿下も会場を訪れ、全演目をご鑑賞されました。
茂田絵美子、日髙有梨、佐藤かんな、光永百花、久保茉莉恵、三宅里奈 撮影 :鹿摩隆司810_9076-300x200.jpg)
牧阿佐美バレヱ団「グラン・パ・ド・フィアンセ」(左から)茂田絵美子、日髙有梨、佐藤かんな、光永百花、久保茉莉恵、三宅里奈 撮影:鹿摩隆司

牧阿佐美バレヱ団「ドン・キホーテ」阿部裕恵、清瀧千晴 撮影:鹿摩隆司

牧阿佐美バレヱ団「時の彼方に ア ビアント」青山季可、清瀧千晴 撮影:鹿摩隆司
さらに、32人のダンサーたちによるピーター・ブロイヤー版『ボレロ』は、筆者のような1980年代MTV世代にとって、マイケル・ジャクソンやジャネット・ジャクソンを喚起させる群舞の迫力と、ダンサーたちの身体能力の高さが圧巻。会場に詰めかけたYOSHIKIファンが、これを機にバレエやダンスに興味を持ってくれたらと思った一夜でした。
デヴィッド・ガルフォースの指揮は、音楽でドラマをぐいぐい推進するメリハリのあるテンポ感が素晴らしく、今回もピット内の巨匠の指揮ぶりに魅了されました。バレエは、音楽のテンポ感が良いと舞台が引き締まります。管弦楽は東京オーケストラMIRAI。
クラシカ・ジャパン編成部 石川了

牧阿佐美バレヱ団「ボレロ」 撮影:鹿摩隆司