2019 / 05 / 30
第21代カペルマイスターに就任したアンドリス・ネルソンス率いるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が来日中!ネルソンスと共演者バイバ・スクリデのコメントを紹介

左より、バイバ・スクリデ、アンドリス・ネルソンス
275年を超える歴史を誇るライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が、5月27日より日本ツアーを行っている。東京文化会館のこけら落とし以来、これまで通算25回の日本ツアーを行ってきたゲヴァントハウス。今回はアンドリス・ネルソンスが第21代カペルマイスターに就任後、初の日本公演ということもあり、5月28日に記者会見が行われた。会見には、アンドリス・ネルソンス(ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 第21代カペルマイスター)、アンドレアス・シュルツ(ライプツィヒ・ゲヴァントハウス ジェネラル・ディレクター)、今回のツアーでショスタコーヴィチの「ヴァイオリン協奏曲第1番」を演奏するソリストのバイバ・スクリデらが登壇。会見で語られたネルソンスとバイバのコメントを紹介しよう。
文:井手朋子(クラシカ・ジャパン編成部)

©Marco_Borggreve
アンドリス・ネルソンス
「長年の夢であった第21代カペルマイスターに就任したということは非常に光栄であると同時に、とても大きな責任も感じています。昨夜コンサートに来られた方、またゲヴァントハウス管弦楽団のこれまでのコンサートを聴かれたことがある方にはご理解いただけると思いますが、私は指揮者としてこのオーケストラを振っているとき、まるで体が溶けていくかのような感覚を憶えます。ゲヴァントハウスの音は、例えるなら蜂蜜のような究極の柔らかさがあります。一方、ブラームスのような作品では、大きな船に乗っているかのような心地良さがあるのです。私はゲヴァントハウのカペルマイスターとして、このような音質とオーケストラが持つ独自の伝統を大切にしていかなければなりません。私の務めは、この大きな伝統を未来に受け継ぎ、発展させていくことです」
バイバ・スクリデ
「日本、そして東京に戻ってくることができて非常に嬉しく思っています。素晴らしいオーケストラと1000%信頼できる指揮者と共にこのようなツアーに参加できることは、喜び以外何ものでもありません。私とネルソンスは2人ともラトビア出身ですが、我々が若い頃、ラトビアがまだソヴィエト連邦の一部だった時代はポップ・ミュージックなどは聴かせてもらえませんでした。ですから、さまざまな感情が込み上げた時にはショスタコーヴィチを聴いたものです。このように、自分の人生の中で非常に重要な存在としてショスタコーヴィチがいて、若いうちからその理解を深めていきました」
今後もブルックナー、ブラームス、ベートーヴェンといった伝統的な作曲家の作品を大切にしていくと同時に、昨年からスタートした「ゲヴァントハウス・コンポーザーズ」シリーズで現代作曲家の作品も積極的に取り上げていく予定だというゲヴァントハウス管弦楽団。クラシカ・ジャパンでは、来日に合わせてネルソンスの就任記念演奏会シリーズの第2弾「ゲヴァントハウス管創立275周年記念コンサート」を放送中だ。ぜひ番組で公演後の余韻に浸ってみて欲しい。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 来日公演
指揮:アンドリス・ネルソンス
ヴァイオリン:バイバ・スクリデ
日時:2019年5月30日(木)19:00
会場:サントリーホール
日時:2019年6月1日(土)14:00
会場:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
日時:2019年6月2日(日)14:00
会場:ザ・シンフォニーホール