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シリーズ「ロッシーニの愉悦」
初回放送 8月4日(土) 22:55~25:40
ミラノ・スカラ座音楽監督として脂の乗ったアバド40代のロッシーニで、ジャン=ピエール・ポネルの洒落た演出でも名高いオペラ映画の最高傑作。才気に富み生命力にあふれたアバドの音楽は今なお色褪せることはなく、フレデリカ・フォン・シュターデとフランシスコ・アライサという美男美女コンビ、そしてデズデーリ、モンタルソロ、プリシュカ、意地悪な姉の二人に至るまで芸達者な脇役たちも必見。
[出演]フレデリカ・フォン・シュターデ(アンジェリーナ)フランシスコ・アライサ(ドン・ラミロ)クラウディオ・デズデーリ(ダンディーニ)パオロ・モンタルソロ(ドン・マニフィコ)ポール・プリシュカ(アリドーロ)マルガリータ・グリエルミ(クロリンダ)ラウラ・ザンニーニ(ティスベ)
[演目]ロッシーニ:2幕のドランマ・ジョコーゾ『チェネレントラ、あるいはまごころの勝利』
[台本]ヤーコポ・フェッレッティ
[原作]シャルル・ペローの童話『サンドリヨン』、ニコラ・イズアール作曲の歌劇『サンドリヨン』のためのシャルル・ギョーム・エティエンヌの台本、ステファーノ・パヴェージ作曲『アガティーナ、報いられた美徳』のためのフランチェスコ・フィオリーニの台本
[演出&映像監督]ジャン=ピエール・ポネル
[指揮]クラウディオ・アバド
[演奏]ミラノ・スカラ座管弦楽団及び同合唱団
[音声収録]1981年9月ミラノ
[映像収録]1981年8月&9月ウィーン
作曲家ジョアキーノ・ロッシーニの生地ペーザロで1980年から毎年8月に開催される「ロッシーニ・オペラ・フェスティバル」は、埋もれた作品にも光を当てて、20世紀末の「ロッシーニ・ルネサンス」を巻き起こした。番組は、2014年のフェスティバルで上演された。『アルミーダ』は、『セビリアの理髪師』初演の翌年、ロッシーニ25歳の1817年に作曲・初演された。原作は16世紀イタリアの詩人トルクヮート・タッソーの大叙事詩『解放されたエルサレム』。ヴィヴァルディやグルック、ヘンデル、そしてハイドンなども同じ原作からオペラを書いている。ロッシーニの『アルミーダ』は、初演後10数年の間に何度か上演された記録があるものの、19世紀半ばには既に忘れられた存在となり、マリア・カラスの名唱で知られる1952年のフィレンツェでの上演が1世紀以上ぶりの復活蘇演だった。しかし、題名役のアルミーダ以外には女性歌手が誰も登場しない一方で、テノールは6役も登場する(一人2役を歌ってテノール歌手4人で上演可能)という変則的な配役もあり、現在もなお滅多に上演されないレア作品。妖艶で激しい魔女アルミーダを見事に演じているのは、1984年バレンシア出身の美人ソプラノ、カルメン・ロメウ。特にラスト7分にわたる一人芝居は圧巻。そしてリナルド役は「ミスター・ロッシーニ・テノール」アントニーノ・シラグーザ。聴かせどころのハイDもぴしゃりと決めて絶好調。第1幕のアルミーダとリナルドの二重唱「愛よ、力強き名よ」は特によく知られたナンバー。「ナポレオンは死んだが、また別の男が出現した」で始まる有名な『ロッシーニ伝』を著した文豪スタンダールは、同書の中でこの二重唱を、「ロッシーニの最も美しい二重唱」「実に官能的」と繰り返し絶賛。また第3幕には、リナルド、ウバルド、カルロによる、オペラ史上でも珍しい「テノールの三重唱」もあり、これも見どころ。
[出演]カルメン・ロメウ(アルミーダ)アントニーノ・シラグーザ(リナルド)カルロ・レポーレ(イドラオテ、アスタロッテ)ランドール・ビルズ(ゴッフレード、ウバルド)ディミトリ・コルチャック(ジェルナンド、カルロ)ヴァシリス・カヴァヤス(エウスタツィオ)アッボンダンツァ・ベルトーニ・カンパニー
[演目]ロッシーニ:ドランマ・ペル・ムジカ『アルミーダ』全3幕(チャールズ・S・ブラウナー&パトリシア・B・ブラウナーによるクリティカル・エディション)
[台本]ジョヴァンニ・シュミット
[原作]トルクヮート・タッソーの大叙事詩『解放されたエルサレム』
[演出]ルカ・ロンコーニ
[装置]マルゲリータ・パッリ
[衣裳]ジョヴァンナ・ブッツィ
[振付]ミケーレ・アッボンダンツァ
[振付協力]アントネッラ・ベルトーニ
[指揮]カルロ・リッツィ
[演奏]ボローニャ歌劇場管弦楽団及び同合唱団
[収録]2014年8月10日アドリアティック・アレーナ(ペーザロ)「ロッシーニ・オペラ・フェスティバル2014」