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初回放送4月18日(土) 21:00~23:55
21世紀の新校訂版による上演。鬼才トビアス・クラッツァーの攻めた演出と相まって、これまで見たことのない、新しい『ホフマン物語』が誕生! 『天国と地獄』で知られるフランス・オペレッタの大家ジャック・オッフェンバックが、その最晩年に勢力を傾けたグランド・オペラが『ホフマン物語』。初演の舞台稽古が始まるなか、未完の幕を残してオッフェンバックが急逝したために、他者の補作によるさまざまな版が並存していて、現在でも上演形態は複雑。2018年6月にオランダ国立歌劇場で新制作された『ホフマン物語』は、近年注目を集めている21世紀の最新の校訂版であるケイ&ケック版を採用。主人公のホフマンが過去の3人の女性たちとの悲劇的な恋を語る物語を、その枠組を残したまま、まるで不気味な心理サスペンスのように再構築。物語の舞台は現代。ホフマン(ジョン・オズボーン)は、目下夢中になっている相手の歌姫ステッラを自宅の窓から盗撮するストーカー男で薬物中毒。通常メゾ・ソプラノが男装して歌い分ける親友ニクラウスとミューズ(アイリーン・ロバーツ)は、ホフマンに思いを寄せる女性として描かれ、ホフマンの恋の相手である3人の女性たちの描き方にもひと工夫も見どころ。
初回放送4月25日(土) 21:00~深夜0:05
詩人ホフマンと彼が恋した3人のヒロイン(人形オランピア、歌姫アントニア、娼婦ジュリエッタ)、3人の悪魔、そして彼を見守るミューズが織りなす幻想的な物語と、有名な「ホフマンの舟歌」や「クラインザックの物語」をはじめとする豪華絢爛な音楽。オペレッタ作家として「シャンゼリゼのモーツァルト」と讃えられた19世紀フランスの作曲家オッフェンバックの最後の作品で、その死により未完に終わったオペラ。この番組は、1946年の創設以来、第70回を迎えた2015年のブレゲンツ音楽祭で、湖上ではなく祝祭劇場で行われた新制作。見どころは、オスロ出身の演出家シュテファン・ヘアハイムによる驚愕の演出。ホフマンを演じるスウェーデン人テノール、ダニエル・ヨハンソンは頻繁に女装しながらの大熱演。4つの敵役と酒場の主人の5役を演じるのはドイツの名バリトン、ミヒャエル・フォレ。オランピアはスウェーデンのソプラノ、ケシュティン・アヴェモ、アントニアはドイツの若手ソプラノで新国立劇場『フィガロの結婚』で伯爵夫人を演じたマンディ・フレドリヒ。ミューズとニウラウスにはイスラエルの若手メゾ・ソプラノ、ラヘル・フレンケル。演技派テノール、クリストフ・モルターニュがオッフェンバックそっくりの扮装で演じる召使3役にも注目。
バーンスタインの『トリスタンとイゾルデ』といえば、クラシック・レコード史に燦然と輝く名演であり、彼が全曲を演奏した唯一のワーグナーのオペラ。長くその録音だけで伝えられてきた伝説の名演ですが、バーンスタイン生誕100年を迎えた2018年、上演時のテレビ中継が映像化され大きな話題に。全曲盤としてフィリップス・レーベルから発売され、日本でも1984年度のレコード・アカデミー賞大賞受賞。録音だけで伝えられてきた伝説の名演の貴重映像。バーンスタインは、「音楽の歴史における中心的な存在。車輪の心棒」と位置づけるこの作品に魅了されコンサートやテレビで部分的に演奏。指揮をするバーンスタインの表情から情熱や気迫が伝わってくる。