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祝!創立450周年「シュターツカペレ・ベルリン」特集
初回放送10月25日(日)21:00~22:40
バレンボイムの故郷で、手兵シュターツカペレ・ベルリンとのブラームス交響曲第3番と第4番を披露。かつてないほど自在で濃密な演奏で会場の興奮を誘う。2018年、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催された「フェスティバル・バレンボイム」。同地生まれのダニエル・バレンボイムが、長く音楽監督を務めるシュターツカペレ・ベルリンを率いて、オペラやコンサートを上演。そこでブラームスの4つの交響曲全てが演奏され、現地の聴衆の興奮を誘いました。彼らはその前年に満を持して全4曲の録音を行ったばかりで、到達した境地を故郷に知らしめるステージにもなったのです。第3番、第4番の公演は、前2曲以上に指揮者バレンボイムのカリスマ性が際立ったと言えるかもしれません。やはり遅めのテンポを基本としながら、ときにワイルドなほどに強烈な音を要求、どの瞬間にも熱気が満ちています。重厚ではあるけど鈍重にはならず、追い込む場面の切迫感もすさまじく、アゴーギクの細かい付け方とその反応ぶりは、むしろ機敏そのものとも言えます。この日の公演にはベルリン・フィルの名ホルン奏者ステファン・ドールも加わっています。第3番は作品のもつ激しいパッションが前面に出ながら、美しい旋律の魅力もたっぷり味わえます。枯淡の境地ととらえられることのある第4番も、バレンボイムにかかれば渋い中にもカロリー満点な音楽になり、テンポの変化、強弱のメリハリに富んだ演奏を楽しめます。しかも、オーケストラの音色の美しさはほれぼれするもので、どのセクションもすばらしいですが、特にヴィオラ、チェロの艶は印象的。容赦なく追い込んだ終結で興奮を誘ったバレンボイムは、花束をもって満場の聴衆に応えるのです。
「シュターツカペレ・ベルリン」その他の放送公演
初回放送 10月4日(日) 21:00~22:00
初回放送10月11日(日) 21:00~22:05
バレンボイムが手兵シュターツカペレ・ベルリンと共に故郷に凱旋。ブラームス交響曲第2番と第1番の重厚かつ濃密な演奏で、満場の聴衆のボルテージを上げる。2018年、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催された「フェスティバル・バレンボイム」。同地生まれのダニエル・バレンボイムが、長く音楽監督を務めるシュターツカペレ・ベルリンを率いて、オペラやコンサートを上演。そこでブラームスの4つの交響曲すべてが演奏され、現地の聴衆の興奮を誘いました。彼らはその前年に満を持して全4曲の録音を行ったばかりで、到達した境地を故郷に知らしめるステージにもなったのです。最初の公演は、第2番、第1番の順番。いずれもバレンボイムらしさが発揮された演奏で、遅めのテンポを基本に、すべての音に熱気を込めて音を鳴らしきり、濃厚、濃密、重厚といった言葉が次々に浮かんでくるようなパフォーマンスです。ブラームス作品のもつロマン性を最大限に拡大し、1小節たりとも同じ表現はしないという気迫に満ちています。特にこの第2番、第1番では、ロマン性という枠に収まらず、あたかもマーラーのような変化に富んだ巨大な世界まであらわそうとしているかのようです。第2番では穏やかな曲想からも劇的な流れを引き出し、オーケストラの豊潤な音色の魅力もあって、聴きごたえ十分。最後の伸ばしの音に入る直前、一瞬の間になんと「bravo!」の掛け声が入って、そのまま拍手が始まってしまいます。ブエノスアイレスの聴衆のおおらかさと言うべきか、なんとも珍しい光景もライヴならでは。もとより劇的な第1番はますます濃厚で激しく、かつ壮大な音楽を作り上げて、今度は最後まで拍手を待ってから、満場の聴衆のスタンディングオベーションが巻き起こります。