feature

伝統と創造シリーズ vol.10『HANAGO-花子-』記者発表会レポート(10月24日/セルリアンタワー能楽堂)

 2019年2月に上演される『HANAGO-花子-』記者発表会が、10月24日に渋谷・セルリアンタワー能楽堂で行われました。能楽堂という日本の伝統的な様式を持つ空間を、コンテンポラリーダンスの振付家がどのように解釈し扱っていくかを問う「伝統と創造」シリーズは、2008年にセルリアンタワー能楽堂でスタート。その第10弾となる『HANAGO-花子-』は、能の名作「班女」「隅田川」の登場人物・花子(はなご)に焦点を当て、一人の女性の一生を描いたダンス作品です。  今回の記者発表会は、演出・振付・出演の森山開次、花子役のバレエダンサー酒井はな、“花子にまつわる存在”を演じる能楽師津村禮次郎、オリジナル音楽の笠松泰洋、衣裳を担当するファッションブランド「Eatable of Many Orders」の新居幸治が登壇しました。  森山と酒井は今回が初共演。そこに両人それぞれと共演の経験がある津村が、まさに媒介の役割を果たし、笠松の音楽には箏とケーナとバロックハープを使用しているとのこと。何とも独特で、刺激的な世界が展開しそうな予感がします。 和やかな雰囲気で進行した記者会見の模様をご覧ください。クラシカ・ジャパン編成部 石川了   【Part1:出演者らによる挨拶】 【Part2:質疑応答】 伝統と創造シリーズ vol.10『HANAGO-花子-』 2019年2月22日(金)19:30/23日(土)17:00/24日(日)14:00/25日(月)19:00 セルリアンタワー能楽堂 演出・振付:森山開次  音楽:笠松泰洋 衣裳:新居幸治(Eatable of Many Orders) 照明: 櫛田晃代 音響:野中正行(響き工芸サウンドアリアレコード) 舞台監督:川上大二郎 出演:酒井はな、津村禮次郎、森山開次 お問い合わせ セルリアンタワー能楽堂 03-3477-6412(平日10:00~18:00/土日祝14:30~17:30)http://www.ceruleantower-noh.com/

詳細はこちら

《Kバレエ カンパニー・Bunkamuraオーチャードホール フランチャイズ契約締結記念》「Kバレエ カンパニー/オーチャードホール芸術監督 熊川哲也 記者懇談会」レポート(11月26日/オーチャードホールビュッフェ)

 Kバレエ カンパニーと東急文化村は、2018年11月1日付けでフランチャイズ契約を締結しました。これにより、Kバレエ カンパニーが行う都内の公演のほぼすべてがオーチャードホールで行われることになり、Kバレエ カンパニーはホームグラウンドを得たことになります。  2019年に、東急文化村は開館30周年、Kバレエ カンパニーは創設20周年というアニバーサリーイヤーを迎えます。Kバレエ カンパニーには本拠地ができたことで創作に専念できる、東急文化村には恒常的にバレエ公演を上演できるという両者にとってメリットのある幸せな契約が結ばれたといえるでしょう。東急文化村は日本で最初にフランチャイズ・システムを導入しており、すでに東京フィルハーモニー交響楽団と契約しています。東急文化村は、オーケストラとバレエ団をホームグラウンドとして持つ日本では大変珍しい、充実したコンテンツを提供できる劇場となります。  契約締結を記念して、Kバレエ カンパニーとオーチャードホールの両芸術監督である熊川哲也氏を迎えた記者懇談会が開かれました。熊川芸術監督は、まだ英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルだった時にもオーチャードホールで踊っており、ホールとの相性の良さを感じたとのこと。その後Kバレエ カンパニーを率いて同ホールで旗揚げ公演を行い、2012年にはオーチャードホールの芸術監督にも就任しました。今回のフランチャイズ契約を「今までの活動を認められたのかなと思う」「東京フィルハーモニー交響楽団さんと肩を並べて新作を発表できるのかと思うとワクワクする」「民間のバレエ団でホームグランドを持つのはKバレエ カンパニーしかなく、誇りに思っている」と素直な心境を語ってくれました。  12月6日から『くるみ割り人形』が10年ぶりにオーチャードホールで上演されます。初演時に舞台美術・衣裳デザインを担当したヨランダ・ソナベンドの永く眠っていた美術デザインを復活して上演するそうです。Kバレエ カンパニーにとってヨランダ・ソナベンドのクリエーションは宝物と熊川氏は考えており、今回加える美術によってヨランダの表現したかったことを改めて感じることができ、感極まったとのこと。Kバレエ カンパニーの『くるみ割り人形』は舞台の豪華さで定評があり、年末にどの『くるみ割り人形』に行こうかと迷ったらKバレエ カンパニーを見るべきと言われているほどのクオリティの高さで知られています。  他にも「日本の劇場に海外のお客さんがやって来るのが本当の国際化。歌舞伎、相撲と同様、日本にバレエを見に来てもらえるようにならなければ」と持論も。これは、劇場には海外からの観光客がたくさん訪れることを知っている、長らく英国ロイヤル・バレエ団で活動してきた経験から得た実感なのでしょう。  この懇談会は、東急文化村の中野哲夫社長の挨拶から始まり、あとはすべて記者からの質問に熊川芸術監督が答える、という形式で行われました。そのためにさまざまな質問が飛び交いました。バレエ教育に関すること、経営者でありクリエイターであることの葛藤、2019年1月に自身が久々に舞台に立つ『ベートーヴェン第九』公演に込めた思い、熊川芸術監督が振付・演出予定の新作『マダム・バタフライ』のことなどコメントは多岐にわたりました。結城美穂子(エディター/音楽・舞踊ライター)     K-BALLET COMPANY Winter 2018『くるみ割り人形』 日時:2018年12月6日(木)14:00、18:30/7日(金)14:00、18:30/8日(土)12:30、16:30/9日(日)13:30 会場:Bunkamuraオーチャードホール 演出・振付:熊川哲也 原振付:レフ・イワーノフ オリジナル台本:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 舞台美術・衣裳デザイン:ヨランダ・ソナベンド/レズリー・トラヴァース 照明デザイン:足立恒 指揮:井田勝大 演奏:シアター オーケストラ トーキョー マリー姫:中村祥子/浅野真由香/小林美奈/矢内千夏 くるみ割り人形/王子:遅沢佑介/山本雅也/堀内將平/栗山廉 ドロッセルマイヤー:宮尾俊太郎/杉野慧 クララ:河合有里子/吉田このみ/大歳千弘/瀬屑真紀 雪の王:石橋奨也/益子倭/奥田祥智 雪の女王:毛利実沙子/戸田梨紗子/大井田百 お問い合わせ:チケットスペース 03-3234-9999 http://www.ints.co.jp   筆者紹介 結城美穂子 Mihoko Yuki 出版社勤務を経てフリーランスのエディター/ライターとして活動中。クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。バレエ・ダンス情報誌『ダンツァ』元編集長。単行本・ウェブマガジン・公演パンフレットの編集と執筆、またオペラ、バレエの初心者向け鑑賞ガイドのレクチャー講師を務める。

詳細はこちら

program

article