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東京シティ・バレエ団が1月23日と24日に日本初演のショルツ作品を上演

 日本で唯一、ウヴェ・ショルツの振付作品をレパートリーに持つ東京シティ・バレエ団が、日本初演のショルツ作品を上演することになった。  東京シティ・バレエ団は、2013年にショルツ振付『ベートーヴェン交響曲第7番』を日本初演してたちまち大評判となり、『NHKバレエの饗宴』で上演するなど再演を重ね、ショルツ作品を自分たちの財産としてきた。今回は『Air!』、『天地創造』よりパ・ド・ドゥ、『Octet』(オクテット)の3作品を上演する。ショルツから指導を一任され、ショルツ作品上演のための指導を世界中のカンパニーで行っているジョヴァンニ・ディ・パルマが今回も来日し、彼から丁寧な指導を受けてのお披露目となる。  ショルツはチューリッヒ・バレエ団、ライプツィヒ・バレエ団の芸術監督を務めた振付家で、バランシンのスクール・オブ・アメリカン・バレエで学んだ経験もあり、シンフォニックな振付家と言われている。彼は音楽の音ひとつひとつ、フレーズ、構造にまで神経を使った振付を施している。その結果、舞台上に音楽の持つ躍動感、高揚感、幸福感を私たちは目にすることができる。ダンサーはダンスのテクニックが求められるだけでなく、音楽が聴こえ、感じることができないと、おそらくショルツ作品を踊ることはできないだろう。それくらい、音を目にしているような、音楽を感じさせる舞台が繰り広げられるのだ。  『Air!』は日本初演、バッハの管弦楽組曲第3番全曲を使用する。この作品の第2曲「エール」はのちにヴァイオリンのG線だけで演奏するよう編曲された「G線上のアリア」として大変有名になった。序曲、エール、ガヴォット、ブーレ、ジーグという5曲構成で、序曲以外は舞曲のリズムだ。全曲使用ということで、舞曲のリズムがどう扱われているのか期待が高まる。  『天地創造』はハイドンの晩年の傑作、オラトリオ『天地創造』を使用する。旧約聖書の『創世記』とミルトンの『失楽園』をもとにした台本のドイツ語訳を使用して作曲した。一般市民にもわかるドイツ語での上演ということで初演時から今日までずっと演奏されている、まさにハイドンの代表作だ。このスケールの大きな作品をパ・ド・ドゥで踊るという。どんな景色を見せてもらえるのか楽しみだ。こちらもバレエ団初演。  『Octet』はメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲全曲を使用する。2018年に日本初演されたこの作品、女性は黄色い衣裳で舞台はシンプルな印象だが、男女の関係性が楽章ごとに変化し、見ていて大変幸せな気持ちになる。豊かな音楽性を持つショルツの魅力が詰まったすばらしい作品だ。  百聞は一見にしかず。シンフォニック・バレエの現在形を経験できるまたとない機会なので、ぜひ劇場へ足を運んでほしい。文:結城美穂子(エディター/音楽・舞踊ライター)   東京シティ・バレエ団「ウヴェ・ショルツ・セレクションⅡ」 https://tokyocityballet.com/uwescholz2/ 日時:2021年1月23日(土)17:00、24日(日)14:00 会場:ティアラこうとう 大ホール 『Air!』(日本初演) 佐合萌香、中森理恵 玉浦 誠、濱本泰然、土橋冬夢 『天地創造』よりパ・ド・ドゥ(バレエ団初演) 佐合萌香、キム・セジョン 『Octet』 中森理恵、清水愛恵 キム・セジョン、福田建太 吉留 諒、濱本泰然 筆者紹介 結城美穂子 Mihoko Yuki 出版社勤務を経てフリーランスのエディター/ライターとして活動中。クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。バレエ・ダンス情報誌『ダンツァ』元編集長。単行本・ウェブマガジン・公演パンフレットの編集と執筆、またオペラ、バレエの初心者向け鑑賞ガイドのレクチャー講師を務める。

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