ロストロポーヴィチ~ロシアへの帰還

政治的圧力・亡命・国籍剥奪を経て、16年ぶりにソ連帰国を果たした巨匠に密着。世紀の大チェリストの至高の音楽性と人道的信念を伝える貴重な映像作品。
“20世紀最高のチェリスト”ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927-2007)。モスクワ音楽院で学んだ後、飛ぶ鳥を落とす勢いでチェリストとして名を上げた彼ですが、反体制作家アレクサンドル・ソルジェニーツィンを支援してソ連政府の怒りを買い、1974年に亡命。1978年には当局から国籍を剥奪されました。
番組は、ソ連崩壊目前の1990年2月、米ワシントン・ナショナル交響楽団とのツアーで、16年ぶりにソ連に帰国したロストロポーヴィチに密着。彼に寄り添うのは、亡命以前にボリショイ劇場の首席ソリストとして脚光を浴びていたソプラノ歌手で妻のガリーナ・ヴィシネフスカヤ(1926-2012)です。
番組の共同監督の一人、アルバート・メイスルズは、ローリング・ストーンズやウラジミール・ホロヴィッツ、小澤征爾らのドキュメンタリーも手掛けた人物。ナレーションを入れずに最小限の編集で客観的に事実を伝える「ダイレクト・シネマ」の手法を推し進めた映像作家です。もう一人の共同監督は、現在メトロポリタン歌劇場(MET)総裁としてメディアにもひっぱりだこのピーター・ゲルブ。彼は1980~90年代には、MET公演のテレビ放送をプロデュースするかたわら、多数の大物演奏家を起用してテレビ番組を監督・制作していました。
撮影・編集に当たりドラマティックな効果を廃した映像は、却ってロストロポーヴィチの至高の音楽性と人道的な信念を感動的に伝えます。夫人との仲睦まじさは終始微笑ましく、ロストロポーヴィチ自身が、生家、かつて暮らしたアパート、別荘を再訪しながら思い出を語るシーンは実に貴重です。
なお、原題『Soldiers of Music(音楽の兵士たち)』は、番組後半のインタビューでロストロポーヴィチが引用する“師ショスタコーヴィチからの助言”に因んでいます。
[出演]ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェリスト&指揮者)ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(ソプラノ歌手/ロストロポーヴィチの妻)[監督]アルバート・メイスルズ、ボブ・アイゼンハート、ピーター・ゲルブ、スーザン・フレムケ[制作]1990年
■字幕/約1時間30分
(c)Sony Classical
放送日時 | 開始時刻 | 放送時間 |
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2019年2月26日(火) | 21:00 | 100 分 |
2019年2月27日(水) | 16:35 | 100 分 |
2019年2月28日(木) | 13:45 | 100 分 |
2019年3月1日(金) | 10:00 | 95 分 |
2019年3月2日(土) | 06:00 | 95 分 |
2019年3月3日(日) | 22:40 | 95 分 |
2019年3月4日(月) | 深夜 01:40 | 95 分 |
2019年3月10日(日) | 06:00 | 95 分 |
2019年3月14日(木) | 深夜 04:25 | 95 分 |
2019年3月16日(土) | 深夜 02:30 | 95 分 |