バレンボイムのベートーヴェン「ピアノ・ソナタ全集」~第12番
DANIEL BARENBOIM COMPLETE BEETHOVEN PIANO SONATAS 12
ベートーヴェンの創作活動において、ピアノ・ソナタは最も重要なジャンルの一つ。19世紀前半におけるピアノという楽器の発展の中で、彼はピアノ音楽の新しい表現方法を追求しました。“ピアノの新約聖書”と称される32曲のピアノ・ソナタは、ピアニストのみならず、ピアノに関わる全ての人間にとって避けて通ることができない、今なお燦然と輝く存在です。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ初期における新たな後半のスタートを告げる第12番。この曲が作曲された1800年頃から、ベートーヴェンの大胆な創意と発想が、あらゆるジャンルの作品に表れてきます。4つの楽章の中にソナタ形式は一つもありません。第1楽章は変奏曲、第2楽章は短いスケルツォ、続く第3楽章は葬送行進曲で、第4楽章は対照的な生気あふれるロンドという、その画期的な構成に目を見張ります。
この番組は、1983年~84年にウィーンの由緒ある宮殿で収録された巨匠ダニエル・バレンボイムの演奏。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集映像としては史上初となる歴史的番組が、オリジナルの35mmフィルムから新たにレストア&デジタル・リマスタリングが施され、高画質高音質のHD版で蘇りました。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ32曲を作曲順に見ていくと、この作曲家が新たな音楽世界をどんどん切り開いていく様子が伝わってきます。それは、まさにロマン派への扉です。さらに、改めて認識するのは、ベートーヴェンが優れたメロディーメーカーであったこと。全曲、名旋律と豊かなハーモニーが堪能できます。
若き日のバレンボイムの情感豊かでメリハリとパンチの効いたピアノ、ジャン=ピエール・ポネルの美しく詩情あふれる映像で、ピアノ・ソナタの最高峰の広大な宇宙を体感して下さい。
[演目]ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番変イ長調Op.26[ピアノ]ダニエル・バレンボイム
[収録(全集)]1983年~1984年ロプコヴィツ宮、ラズモフスキー宮、キンスキー宮、ヘッツェンドルフ宮(ウィーン)
[映像監督]ジャン=ピエール・ポネル
■約23分
(c)EuroArts
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