ムーティの『ファルスタッフ』ラヴェンナ音楽祭2015
FALSTAFF (July 2015 Ravenna Festival) Muti & Luigi Cherubini Orchestra

イタリア・オペラ最大の作曲家ヴェルディは、その生涯で26のオペラを遺しましたが、喜劇は2つしかありません。そして生涯最後のオペラがシェイクスピア喜劇で、ヴェルディの最高傑作の一つと称えられる『ファルスタッフ』なのです。老ヴェルディは作曲に4年を費やしましたが、1893年ミラノ・スカラ座初演は大成功。直ちに世界中の名だたる歌劇場で上演されるようになりました。特に、フィナーレのフーガ「この世はすべて冗談さ」は、80歳を目前に人生を達観したヴェルディのメッセージが聞こえてくるようです。
この番組は、2015年ラヴェンナ音楽祭のハイライトを飾ったダンテ・アリギエーリ劇場公演。ムーティのアカデミーの結晶といえる若手アーティスト中心で上演されました。タイトルロールを歌うキリル・マノロフは、ソフィア国立歌劇場来日公演でも評判を呼んだ1976年ブルガリア生まれのバリトン。アリーチェのエレオノーラ・ブラットは1982年マントヴァ生まれの新進ソプラノ。2014年ローマ歌劇場来日公演の際にはバルバラ・フリットリの代役として日本でも注目を浴びました。
ムーティの颯爽とした指揮と深い解釈の中で若手が躍動する舞台です。装置と映像を融合した舞台演出は、ラヴェンナ音楽祭総裁でムーティ夫人のクリスティーナ・マッツァヴィッラーニ・ムーティ。
[出演]キリル・マノロフ(ファルスタッフ/バリトン)エレオノラ・ブラット(アリーチェ/ソプラノ)フェデリコ・ロンギ(フォード/バリトン)ダミアーナ・ミッツィ(ナンネッタ/ソプラノ)イザベル・デ・パオリ(クイックリー夫人/メゾ・ソプラノ)アンナ・マラヴァージ(メグ・ペイジ夫人/メゾ・ソプラノ)ジョヴァンニ・セバスティアーノ・サーラ(フェントン/テノール)ジョルジョ・トルッコ(医師カイウス/テノール)マッテオ・ファルチエル(バルドルフォ/テノール)グラツィアーノ・ダッラヴァッレ(ピストーラ/バス)ラヴェンナ音楽祭舞踊アンサンブル[演目]ジュゼッペ・ヴェルディ:3幕のコメディア・リリカ『ファルスタッフ』[台本]アッリーゴ・ボーイト[原作]ウィリアム・シェイクスピアの喜劇『ウィンザーの陽気な女房たち』及び戯曲『ヘンリー四世』[演出]クリスティーナ・マッツァヴィッラーニ・ムーティ[装置]エツィオ・アントネッリ[衣裳]アレッサンドロ・ライ[照明]ヴィンセント・ロンゲマーレ[映像デザイン]ダヴィデ・ブロッコリ[指揮]リッカルド・ムーティ[演奏]ルイージ・ケルビーニ管弦楽団、ピアチェンツァ市立劇場合唱団[合唱指揮]コッラード・カザーティ[収録]2015年7月23日ダンテ・アリギエーリ劇場(ラヴェンナ)[映像監督]アルナルダ・カナーリ
■字幕/全3幕:約2時間15分
Ravenna Festival(c)Silvia Lelli
放送日時 | 開始時刻 | 放送時間 |
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