ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン「ベートーヴェンとブルックナー」
BRUCKNER 6 (Thielemann + Bronfman)
シュターツカペレ・ドレスデン2015-16シーズンの開幕を告げる2015年9月ゼンパーオーパー公演。このシーズンの目玉は、同楽団の“カペル・ヴィルトゥオーゾ”にイェフィム・ブロンフマンを迎え、首席指揮者クリスティアン・ティーレマンと繰り広げるベートーヴェンのピアノ協奏曲チクルス。この番組は、その中のピアノ協奏曲第3番と現在進行形のブルックナー交響曲チクルスより第6番です。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番は1803年初演の際、ピアノの譜面が殆ど空白のまま作曲家自身が即興で弾いたというエピソードが有名。伝統的スタイルの中に第4番や第5番『皇帝』につながるロマン的要素もあり、ベートーヴェンの中では過渡期のような作品です。ピアノを弾くのは旧ソ連生まれのイスラエル人でアメリカ国籍を持つイェフィム・ブロンフマン。番組では、その圧倒的なテクニックのみならず、ピアノの音の粒立ちと音色の美しさにも注目。
シュターツカペレ・ドレスデンは1548年ザクセン選帝侯モーリッツが創設した宮廷楽団を前身とする世界最古のオーケストラの一つ。ハインリッヒ・シュッツやカール・マリア・フォン・ウェーバー、リヒャルト・ワーグナー、リヒャルト・シュトラウスなど音楽史上重要な作曲家が指揮台に立った由緒ある楽団。1959年ベルリン生まれのティーレマンは歌劇場コレペティトゥーアとしてキャリアをスタート。カラヤンのアシスタントを経て、ニュルンベルク州立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ミュンヘン・フィルの音楽総監督を歴任。2012年シュターツカペレ・ドレスデン首席指揮者に就任し、ウィーン・フィルとウィーン国立歌劇場、ベルリン・フィルとバイロイト音楽祭でも活躍する現代最高のカリスマです。
オーストリアの作曲家ブルックナーの交響曲は、ワーグナーの重厚さと長大さを持ち合わせ、自身オルガニストを務めた聖フローリアン教会のオルガンと合唱の響きが反映されたサウンドが特徴。第6番はブルックナー自身が「大胆なスタイル」と称した中期作品で、比較的演奏される機会が少ない名曲の一つです。
確信に満ちたティーレマンの説得力あふれる指揮と緻密だがスケールの大きな音楽は必見。オーケストラの熟成されたサウンドと圧倒的迫力も見どころ。ブルックナーはぜひ映像で観たい!
[演目]ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37、アントン・ブルックナー:交響曲第6番イ長調WAB.106
[指揮]クリスティアン・ティーレマン[演奏]シュターツカペレ・ドレスデン、イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)
[収録]2015年9月13日&14日ゼンパーオーパー(ドレスデン)[映像監督]ヘニング・カステン
■約1時間44分
(c)Matthias Creutziger
放送日時 | 開始時刻 | 放送時間 |
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