チェコ・フィルのドヴォルザーク『交響曲第3番』
DVORAK, SINFONIE NR.3 ES-DUR OP.10
楽団員の99%がチェコ人であるチェコ・フィルと、2012年に20年ぶりに首席指揮者として同楽団に戻ってきたチェコ人指揮者イルジー・ビエロフラーヴェクによる、21世紀新時代の「ドヴォルザーク交響曲全集」。有名な第7番、第8番、第9番『新世界より』以外にも、ドヴォルザークの交響曲にはこんなに隠れた名曲が存在していたのです。収録はチェコ・フィル本拠地ドヴォルザーク・ホール。
ドヴォルザークの交響曲の中で唯一3楽章形式の第3番は、プラハ国民劇場ヴィオラ奏者として仕事も忙しく、結婚も間近に控えた気力充実の頃の作品。その伸びやかな旋律とワーグナーに影響を受けた雄弁なオーケストレーションは本当に魅力的です。なお第3番は1874年スメタナ指揮で初演され、彼の交響曲の中では最初に初演された楽曲となりました。ドヴォルザークはこの第3番と交響曲第4番によってオーストリア政府奨学金を獲得し、徐々に専業作曲家の道を歩むことになるのです。
1896年にドヴォルザーク自身も指揮した歴史と由緒あるチェコ・フィルは、現在では1986年生まれのコンサートマスター、ヨーゼフ・シュパチェクを筆頭にベテランと若手が融合され、新たな歴史を歩み始めました。この番組でも、チェコ・フィル本来の美しい響きはそのままで、音楽のスピード感と推進力、そして隅々までクリアでフレッシュなサウンドは、これまでのチェコ・フィルの印象や先入観が一新されること間違いなし。ドヴォルザークに新しい命を吹き込んだビエロフラーヴェクの音楽作りと情熱的な指揮も見逃せません。
自国の英雄的作曲家の全交響曲を2シーズンかけて打って出た、ビエロフラーヴェク&チェコ・フィルの気概と自信、そしてドヴォルザークへの共感と尊敬が伝わる本家本元の演奏です。交響曲第3番がこんなにいい曲だったとは!新たな発見と驚きが体感できる映像です。まさに永久保存版。必見です。
[演目]アントニーン・ドヴォルザーク:交響曲第3番変ホ長調Op.10,B.34
[指揮]イルジー・ビエロフラーヴェク
[演奏]チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
[収録]2012年12月19日~21日「ルドルフィヌム」内ドヴォルザーク・ホール(プラハ)
[映像監督]アダム・レゼク
■約39分
(c)Unitel
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